あえて主語を大きくして書きます。主語は大きいのだけれど、Webアプリケーション開発の世界に制限しておきます。
デザイナーやエンジニアといった職種の人たちとそうでない人たちの間には軋轢が生じることがあると思っています。 気になっていて複数の組織の人に話を聞いてみて、そう感じています。
なぜ?と聞かれるとそれだけで詰められていると感じてしまうひとたちがいる。まったく詰めているということはないので萎縮しないでほしいという話。
理系というよりは不明な課題を明らかにして問題の解決を図ろうとするとどうしてもなぜ?なぜ?という問いを発し続ける問題を明らかにして改善したい勢になると思っています。
問題を明らかにして課題を解決したいのに「言い方が強い」みたいな謎の問題にすり替わってしまうのは非常に残念です。
心理的安全性の確保に立ちふさがる壁
そんな状況にならないために、必要なことを躊躇せずに言える心理的安全性が大事ということがよく言われます。
高い心理的安全性を確保するには、共通体験をもつ、各人のストーリーを共有するなど、活発なコミュニケーションや自分をさらけ出す努力が必要とされています。
よし、ならば心理的安全性の確保を行おう!と張り切ると壁にぶつかります。
1つ目の壁。コミュニケーションの施策としてよく登場するシャッフルランチや飲みニケーションに関して、否定的な気持ちを持っているエンジニアは少なくない。というかかなりの割合で苦手だったりそもそもおかしいと考えてたりします。
2つ目の壁。心理的安全性という言葉を盾に、できないままでいようとする人がいる。弱者が強者になってできる人たちを萎縮させてしまったりします。
全員が意識して行動をしないと心理的安全性の確保は難しいです。
Nonviolent Communication(NVC)
壁にぶつからず心理的安全性を確保できればそれはそれで良いのですが、そもそも仕事なのですから聞かれたことには答えれば良いのではないかと思うことも増えてきました。
ちょっと話が外れますが、クソコードって言わずに遺憾コード(イカンコード?ダジャレ!)って言おうぜとかは、まぁどうでも良いことですよね。「ネガティブなイメージを持つ漢字なのでひらがな表記にしましょう!」みたいにモニョルというものわかりますが、それで気の済む人がいるなら悪くない選択肢だと思います。Webエンジニアなら「ちょっと(ゾンビプロセスを)殺してくる!」というのがナチュラルな会話で、これに関してはコマンドの名前なのでなんともなりませんが。 意味がちがってしまわないのであれば許容しても良いと思います。
閑話休題
NVCは非暴力コミュニケーションのことです。字面からすると、 強い言葉を使わないように ということかと思ってしまうかもしれませんが、 本質はそこにはありません 。
話を始める側は受け手がどう感じるか、どういう意味にとるかを考えながら適切な伝え方を心がける。話を受ける側は話し手がどういう意図で話をしているのかを考えながら聞く。
本質はきっとこれだけのことです。 「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」という本 が分厚かったり、組織に浸透させるには3年かかるといわれたりするので細かいことはいろいろあるのかもしれませんが。
人によって暴力的と感じるコミュニケーションには差異があるのは当然ですから、 双方が納得するまで話をする 、 道徳は持ち出さない 、などのルールで話をします。当事者で決着がつかない場合には調停者があらわれるなど、ホラクラシーやティール組織にも通じるところがありそうです。
心理的安全性の確保のいち手法としてのNVC
話をするときのメソッドが共通認識になっていれば、NVCでも心理的安全性が確保できるのではないでしょうか?
全員が意識して心理的安全性の確保を行おうと動けるのであれば、話をするときのメソッドも共通認識にできるのではないかと。
すでに取り組まれている組織があったらお話を聞きたいです。
Koemuさんが研修受けたってブログ書いて たなと、読み直してみると2ヶ月通ってますね…
と、2018年の締めにと書いていたら2019年になってました。
今年もよろしくお願いします。
コミュニケーションは双方の努力によって円滑になるんですよね。双方です。